風力発電機の故障回避による稼働率向上
故障回避機能付状態監視機器(CMFS)と診断サービス
ナブテスコ㈱ 野原 修・小森 啓史・後藤 健太
2050年のカーボンニュートラル(温室効果ガス排出実質ゼロ)実現に向けて、2030年の電源構成は再生可能エネルギーが2019年実績の2倍以上となる36~38%まで引き上げられる。
その再生可能エネルギーの一つである風力発電において大きく期待されているのが洋上風力発電である。遠浅が少ない日本では海底に基礎を作って固定する着床式風力発電は不向きであるため、浮体式の風力発電の普及が市場拡大の大きな鍵となる。2010年ごろから開発は進み、2015年からは商用化運転が始まっているが、環境変化に伴う台風や津波に対する安全性の確保を解決して稼働率を向上しなければ普及は難しい。
本稿では、風力発電機のヨー旋回部の安全性に着目し、市場で発生している故障による損失データと故障原因、また、当社にて開発した対策機能とその効果について紹介する。
(テクニカルレポートから概要を掲載)
ボルトひずみセンサ 制御・電源機器
CMFS機器の外観